ご依頼主はアクティブな方で、車いすで自由に行動したいとお考えでした。しかし、筋力の低下で姿勢が変えられず、座圧分散ができないため、車いすで長時間を過ごすのは難しい状況。弱まった筋力では、座面を変えられる電動車いすの操作もできず、ベッドでの生活を余儀なくされていました。
そこで、わずかな動きで操作できる特殊コントローラーを、自分で操作できる位置に装着して欲しいとご依頼をいただきました。
コントローラーは、レバーとボタンが一つずつという単純な構造で、車いすの移動やティルトなどの多彩な操作ができるよう設計。指先の微細な動きでも操作できる、高いレスポンスを実現しました。
問題は、このコントローラーを“本人が操作しやすい位置”にいかに取りつけるかでしたが、その点はオリジナルのアームを設計することで解決。適度な広さのクリアテーブルにコントローラーを設置し、好みのポジションで車いすを操作できます。また、さらに筋力が低下しても対応できるように、コントローラーを他の仕様に交換することも可能にしました。
その他、コンパクトなサイズの維持や、長時間でもストレスなく使用できる安定性など、機能面でも工夫を凝らしています。
特殊コントロールに必要な機器は、上下に分けて設置。横へのはみ出しを抑えて、本来のコンパクトなサイズを保っています。 |
電動ティルトと、骨盤・体幹・頭部をサポートするシーティングパーツの設置により、安定性も高くなっています。長時間の使用や、走行時にも不安はありません。 |